親鳥が 降り立つ所を じっと見る

賑やかに カエルあふれる 山の池

谷あいの 田んぼで安らぐ カモの午後

水気ある 蛇籠の隙間に ヒキガエル

昼の蜘蛛 安全地帯に 身を隠し

結婚の 儀式だろうか アリたちの

鮮やかな 緑の上の 川螻蛄や

新緑に ウスバシロチョウ 花の五月

はじまりは 水辺でつながる 小さな生命

オシドリの 表情もまた 優美なり

杉梢 ホオジロがいる 山の声

谷川に 春色ニホン カワトンボ

だだっ広い ヘビには長い くるま道

真っ新な トンボの羽が 光る時

民家裏 沢筋たどると 咲いている

延々と 山あり谷あり 当然か

一点で 踏ん張り続ける トゲアリや

先っぽは 飛び立ちの舞台 さあ次へ

カワセミは 地球の色だ 水の星

和やかな 野道に咲いてる ミミナグサ

[人知れず 大きな木になる 松の芽や

ぜんぶ閉じ 冷たい雨を 凌いでる

春の雨 可愛いスミレが 色っぽく

銀色の 優しさあふれる コナラの葉

シロダモの 絹毛かがやく 山の中

疲弊した 蛙が一匹 田に残る

トビケラや 飛び立つ時を じっと待ち

ありふれた 日本のカエルの 姿かな

集団で 花が咲けども 謙虚かな

青空を 見上げてみれば 白い鷹